慢性化したうつを抱えた日本人クライエント「太郎」に対する アクセプタンス&コミットメント・セラピー: トリートメント評価による再現可能性検証

Authors

  • Muto 武藤 崇
  • Mitamura 三田村 仰

DOI:

https://doi.org/10.14713/pcsp.v11i2.1908

Keywords:

アクセプタンス&コミットメント・セラピー, 慢性うつ, 日本人クライエント, トリートメント評価, 事例研究, 臨床事例研究

Abstract

本研究は,慢性化したうつを抱えた日本人クライエント「太郎」に対して,アクセプタンス&コミットメント・セラピー(Acceptance and Commitment Therapy: ACT)の効果を実証的に検討したものである。クライエントは30才代の男性であった。ベースラインの後,毎週1時間のACTのトリートメント・セッションを9セッション,隔週1時間のブースター・セッション(ACTのセルフ・ヘルプ本を使用した読書療法)を3セッション,そして1ヵ月毎のフォローアップ・セッションを4セッションというデザインで援助を行った。また,ACTトリートメントは,各コア・プロセスに対応した特定的な介入手続きを段階的に導入することによって,その特定的な効果の有無を検証することを行った。その結果,日本人の慢性うつ患者にもACTが有効であることが示され,かつACTの各コア・プロセスに対応した介入手続きの効果を明確にすることができた。ただし,そのACTの介入効果は,ブースター・セッションまでは非常に顕著であったものの,フォローアップにおいては,ある程度維持に止まった。クライエントの職場での状況が悪化するのに伴い,いくらか状態が後退した。今後は,ACTの効果を維持させる要因の同定が必要であることが示唆された。

Author Biographies

Muto 武藤 崇

武藤 崇

Mitamura 三田村 仰

三田村 仰

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Published

2015-06-11

Issue

Section

Articles in Japanese